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脱毛症のメカニズム

現代日本において、薄毛の悩みをもつ男性は今や1,000万人を超え、成人男性の3人に1人が髪の悩みを持つとも言われています。また、近年においては、生活様式の変化や環境的な要因も相まって、薄毛の若年化が強まるとともに性差も少なくなり、薄毛は男性特有の悩みとも言えなくなってきています。 そんな現代人の大敵「薄毛」ですが、果たしてどの様なメカニズムで髪は薄くなるのでしょうか?ヘアケアの実践の前に、そのメカニズムについてもう一度考えて見ましょう。

【1】脱毛症の種類
  1. ) 加齢によるもの
  2. ) 体質的なもの
  3. ) 原因となる疾患を持つもの
主に脱毛症の種類は、上記の3つに分類する事が可能です。頭髪が薄くなったからといって、必ずしもそれは不自然な事ではありません。加齢に伴う薄毛などは、人間としてあくまで自然な症状ともいえるのです。同様に若くして頭髪が薄くなってきたからといって、全てがいわゆる「若はげ」と呼ばれる「体質的な脱毛」という事でもありません。時には、内科的疾患の影響により頭髪が薄くなる場合や、円形脱毛症の様に突発的にその症状を現す事もあるのです。それでは、以下にそれぞれの特徴を記して参りましょう。

@) 加齢によるもの

人間の身体は、歳を重ねていく程に老いていく物。それは、頭髪においても決して例外ではありません。出生〜10代と成長を重ねた身体は、20代以降から少しづつ着実に衰えていきます。頭髪においては、「髪のハリやコシの衰え」、「抜け毛の増加」、「触感でのボリュームの変化」という様々な症状にて、その衰えを実感していくものなのです。

更に歳を重ね、50〜60代位になるとその状況は年毎に顕著となり、症状は他人の目から見ても明らかとなるのです。特に、頭頂部や前額部などにおいては、外観の変化が著しく感じられる場合も多いです。 一方、その頭髪における経年変化の実感は、必ずしも加齢によるものばかりとは限りません。特に、幼少期〜10代においては、頭蓋骨の発達・髪質の変化など「髪のボリューム」に関わる身体的な成長も多々あります。

分かりやすい例を挙げるのであれば、同じ本数の髪の毛が生えている場合、その生えている面積が狭いほど密度は高くなり、髪は濃く見えます。反対に生えている面積が広くなれば、髪の毛1本1本の隙間は広くなり、地肌は透け、髪が薄くみえるのです。

故に頭蓋骨の成長によって、髪の生えている面積が広くなる事で密度が粗くなり、頭髪が薄く感じられる事も時としてあり得るのです。人間の頭髪の総本数は「8万本〜12万本」と非常に個人差のあるものですから、人によっては正常な変化にも拘らず、薄毛となった実感を持ったとしても決して不自然な事ではありません。

どちらにしても、薄毛に対する物の考えは、年齢的な要素を加味せずに語る事は出来ないのです。

A) 体質的なもの

加齢による変化とは異なり、その原因が「遺伝・体質」等に基づく、いわゆる「男性型脱毛症」(AGA・エージーエー)が、この分類に当てはまります。時として「若はげ」と呼ばれる薄毛がこのケースに当たるのですが、この症状の場合は、20代以降といった比較的若年期から薄毛が始まる事もその特徴と言えます。

成人男性の頭髪は、その1本1本が2〜7年という寿命を持ち、それぞれがバラバラに抜け替わる事で8〜12万本という頭髪を維持しています。 (※ 図1:ヘアサイクル) そのサイクルに基づき、頭髪は1日に100本程度寿命を終え抜け落ち、同時に新しい髪が100本程度発毛する事でバランスを整えているのです。

仮に1日あたりの抜け毛が100本以上に増えたとしても、同量の「新しい頭髪」が1日に発毛すれば、全体の毛量に変化は起きません。しかしながら、「男性ホルモンの変化」を原因とした男性型脱毛症においては、その1本1本の寿命が急激に短くなる事で、抜け毛の増加が顕著となります。

そして、頭頂部や前額部の毛髪の寿命が著しく短くなった時、額の後退や、つむじの地肌の露出といった、いわゆる男性型脱毛症の特徴的な症状を見せ始めるのです。外観の変化が見え始めるのは、ヘアサイクルの乱れが始まってから、ある程度時間が経過してからとも言えます。

男性型脱毛症の原因として一般的に言われているのは、男性ホルモンの変化によるヘアサイクルへの影響です。男性ホルモンであるテストステロンが、5αリダクターゼと呼ばれる酵素により5αDHT(ジヒドロテストステロン)というホルモンに変換される事が、ヘアサイクルの短縮に影響を来たします。この5αリダクターゼの活性に個人差があるため、体質的に薄くなる・ならないといった個人差が出現するのです。

この症状の場合、側頭部から後頭部に掛けては薄毛症状が現れず、薄毛部位の境界がはっきりしているのも、その特徴です。その特徴を元に、脱毛の進行指標を具体的に分類したものがHamilton-Norwood scale(ハミルトン・ノーウッド分類)であり、1950年代のハミルトン医師の提唱以降、スタンダードな脱毛の進行指標として用いられています。

また、その治療には1999年に大正製薬より日本発のダイレクトOTC(大衆薬)として発売された「リアップ」や、2005年に国内販売の認可を受けた医療用医薬品プロペシア(フィナステリド 万有製薬)を用いる事が可能です。どちらも、国内において「発毛薬」の認可を受けた数少ない治療薬であり、特に医療用医薬品であるプロペシアを用いた治療には一定の効果が報告されています。しかしながら、本質的な薄毛対策を考えた場合、治療と平行した日常生活の改善や正しいヘアケアの実践、そして、やみくもに「髪の悩み」を抱えないための、現状分析やメンタルケアなども非常に重要と言わざるを得ません。

B) 原因となる疾患を持つもの

甲状腺の疾患や糖尿病、自己免疫疾患など、疾病の症状として脱毛症状が発現する事があります。その場合には、原因となる疾患の治療が脱毛への対策となるため、主治医の方針の下で治療が必要です。

また、円形脱毛と呼ばれる突発的な脱毛では、突然の大量の抜け毛とともに症状が発現し、500円玉大の無毛部位が突如として出来あがります。その脱毛範囲は、単発的で変化の無い場合もあれば、多発的に広がり症状が全頭に広がっていく場合もあります。原因については、自己免疫疾患に基づく場合や心因的なもの等、不明が非常に多いのもその特徴です。

他にも服薬の副作用に伴う脱毛や、トリコチロマニア(抜毛症)など、脱毛に関わる要因には様々なものがあります。

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